みなさまこんばんわ。
イチロウQ2013おわりました。たくさんのお運びありがとうございました。
みなさまとこんなことをやらせてくれるお店のご協力と素晴らしきメンバーの熱意があって実現できたものでした。ほんとうに感謝しています。
で。感想です。
緊張してバナナしか食ってない。
またそれか、感想じゃないし。
感想はですね。
この編成、5年と4ヶ月ぶりだったらしいんですが、
やっと次への駒をすすめることができました。
今回ばかりは、自分にとっては大改革のつもりで、旧来のジャズとも旧来のタンゴとも違う、さらに自分が若いころに教わって納得してやってきたフォーマットとも違うというものでした。
盛り上げないライブなんてやったことないですから。
なおかつ、この日はたくさんの実験材料を各曲に仕込んでいました。
終わったので告白しますが、今回はステージごとのテーマも作っていました。これはメンバーにも伝えていませんでした。
演奏中はMCもやらずにどんどん演奏したので、ただでさえお経みたいな長い曲が一体何ものなんだかわかんなくてスイマセン。
記録と内容を記しておきます。
1ステージ目:テーマは風が吹くような?タンゴ
1.Taquito Militar
実験=変な小節からPer暴走させて盛り上がるかどうか
2.Nublando(カンドンベです)
実験=ECMなタンゴ(というかカンドンベ)で合図なしソロ回し曖昧で曲がちゃんと進行するかどうか
3.Soledad
実験=タンゴの曲をECM風+フォルクローレ風味でどこまで自由にいけるか風が吹くか
4.Malena
実験=小節線を消し去って、唄に合わせ、でもルバートにならない「x/16」なフリージャズというかフリータンゴ?
5.Volver
実験=唄とバスクラのDUO。
6.Como Dos Extranos
実験=ジャズのアドリブソロのようなものが短い小節なら可能なのでは?という間奏入りタンゴ
7.Luna Tucmana
実験=コテコテな曲をアレンジしアドリヴパートも仕込んだ
2ステージ目:テーマは「長くゆっくり歩いていくような音楽」←コレ自体が大実験
1.Missing Child
実験=テーマをボイスで
2.Return
実験=ジャズワルツでなくやってみる
3.Ciudad los Vientos
実験=ボイス入り
4.For East
実験=ボイスとギターのユニゾンでメロ奏でる
5.Far East
実験=ボイス入り
6.Zamba para Viuda
実験というか、ゆっくり歩いていける曲だと思って最後をZambaにした。
アンコール=リベルタンゴ=後テーマ以外は全部合図進行のアドリブ。
こんなでした。
うまくいったら数曲でもお聴かせしたいと思って、こっそりマイク立ててたんですけど、残念ながらサイトで公開するクォリティに達していませんでした。
またやりますから、そのとき聴きにきてくださいね。
そんなわけで、ずっと背負っていたものがなくなって今日は空っぽです。
久しぶりなこの空っぽ感。
でもとても満たされています。
演奏はやっぱり人様とやってナンボですねえ。ほんと至福の時でした。あっという間に終わってしまった感じです。
全部私の身勝手な解釈と、私が勝手に書いたオリジナルで、「ワタシ度=100%」。
右に売れっ子バンドネオン奏者、左に売れっ子バスクラ奏者、背中にPerとボーカル。もう最高のリスニング位置、自分の演奏なんてやめてずっと聴いていたいような、コレ、すごい贅沢なことです。
しかも、私がときに強引に書いた譜面からいろんなことを想像してくれて、思った以上のサウンドでボンボンその場で演じてくれます。
こうやって自画自賛なことを書けるのも、すべてお客さんの反応でした。
テーマをこうして暴露しちゃったんですが、コレ、演奏後に、言葉こそ違うけれど、気がつかれたお客さんがいました。
しかも複数。
伝わってしまった。
音楽ってすごいですね。
こんなやりかたも(自分でやって言うのもなんですが)あるんですねえ。容認してくれるもんなんですねえ。
次の一手が見当たらず、5年もたってしまったこの編成のイチロウQは、やっとまたやっていく方向が見えました。
そもそもはこの編成は、海外にお手本がありましてね。これ売れてない企画盤だから幻で終わってるんですけど。
そのコピーでもつまらないので、今回はお手本を原点に(それが5年前のイチロウQver2.0)、とにかく自分なりのものを考えました。
ワタクシの過去の文章に出てくる、私が背中をずっと追い続けているかたがいまして、そのかたは会うと必ず意味深なメッセージをくれます。
今回もいただいたメッセージを実践する形となりました。
それは「なんでもかんでも混ぜてやってしまえ」でした。ジャズならジャズ、タンゴならタンゴと分けるのではなく、全部一緒にしてやってしまえということです。
今回は、まさにそのとおり、というか、それしか方法がなくて、こうなりました。
私は長年ジャズを学んできたギター弾き、それがここ数年タンゴに出会って、これも本気でやるようになりました。自分の曲を書くことが案外得意で、しかも喜んでくれるかたもいるので、オリジナルをやるバンドをやっていました。タンゴ方面でも楽曲を提供してきました。私は人と合奏をするときのその場の交流を得意としています。最小限の決め事でみんなで作り合うような演奏が好きです。ジャズと言ってもECMな感じのちょっと王道から外れたものが好きです。とにかく自由な演奏が好きです。最近はラショウさんの拍手もらわない方向でという言葉に影響されました。これりんとこっそり「危ないタンゴ」をやってきました。
これらをみーんな一緒にして
今後 ってことをちょっとだけ乗っけてみたんですね。
どんな時代でも音楽は「ここ」にあっていいものですから。
こればっかりやるつもりはないんですが、そういう「仕様」のものはずっと気になっていたんで。いつかやらなきゃならないと思っていたんで。
私は今、とてもホッとしています。
小さな演奏会でしたが、私にとっては、とても重要な日になりました。
これで、しばらく私は大丈夫かな。と思うような。
誰もやってないようなことをやるのがワタクシの重要な「居場所」でございますのでね。
それと反省。
これからは5年も放ったらかしにすることだけはよそうと思いました。
細く長く、ゆっくりと ね。
飽きないためには、こういうことを積み重ねていくしかないんで。
今回は難産でしたが、ここから先は見晴らしは良い。
意識しないで曲が書けるところまでもう一歩。
演奏が弱音でテンポが地味でも大丈夫なのはわかったとして、
演奏は思いつめてやるものではないから、
これからはもっと身軽にいきましょう。
足で書いたような楽曲でもお釈迦さんが書いたように演奏してくれるメンバーに甘えて、また
足で書きます。
はっはっは。
今やってるタンゴも含めて、私はとにかく共演者には恵まれる強運の持ち主です。
これに甘え続けてですね
だらだらやってくの。
はっはっはっは。
今日は全面的に自画自賛でスイマセン。
次回は一転して、ジャズフォーマットな編成にバンドネオンというイチロウQです。
つまりエレキよこの日は。
10/26(土)イチロウQ2013 その3
東向島プチローズ
スズキイチロウ(g)早川純(bn)磯部英貴(b)金子清貴(d)
ここまでお読みのみなさまはもうやろうとしてることがお察しいただけるかと。
ECMですよタンゴな。なんつって。ウソウソまだ考えてません。
タンゴとジャズがほら近くなってきましたよ。
同時期ですが、そして日にちが前後してしまいましたがこちらも復活
うまぱんDUO
10/22 スズキイチロウ(g)小森慶子(ss,bcl)
日暮里PORTO
みなさま今後ともどうか応援してください。
ありがとうございました。